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速報
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ネパール 非常事態宣言! 小倉清子の緊急手記 第35回(05/09/06)

 2月1日、ギャネンドラ国王が非常事態宣言を発し、全権を掌握したネパール。国際電話、インターネットなどの通信は遮断され、カトマンズ在住の小倉清子との連絡も途絶えた。2月8日、ようやく通信が復活。
 通信の切断、治安部隊の出動、反国王派の監禁・拘束など、混迷続くネパールからの現地リポート。



9月4日(日曜日)
ネパール会議派の支持者、88歳のチャヤ・デビ・パラジュリさんも「禁止ライン」を突破して、ニューロードをデモした。
 今日から、ジャワラケルにあるスタッフ・カレッジで、ネパール・ジャーナリスト連合の全国代表者総会が始まった。開会式にはネパール弁護士連合のシャムブー・タパ会長や人権活動家のクリシュナ・パハリ、そして、各政党の党首クラスのリーダーが来て演説をした。聴衆はほとんどが日刊紙の地方在住記者や地方紙の発行者たち。演説は聴きなれた人種といっていい。そのためか、つまらない演説だと、たとえ党首クラスの演説でも雑談が始まり、ホールは騒がしくなる。しかし、面白い演説をする人の話は、合意を示して机をバンバンたたきながらで、会場は一気に盛り上がる。一番、会場が沸いたのは、やはりクリシュナ・パハリとシャムブー・タパの演説だった。2人に共通しているのは、主張がはっきりとしていることと、大胆な国王批判。どこの集会でも、この2人が出てくると、会場は話しを聞こうとしんとする。7政党の党首は今朝、ネパール会議派(民主)の本部で合同会議を開いたために、全員が遅れて会場に到着した。会議はもちろん、昨日、マオイストが一方的停戦宣言をしたことによる状況変化について話し合うものだ。会議では、7政党は、この停戦宣言を歓迎して積極的に利用するということで合意が達した。ネパール労働者農民党の党首ナラヤン・マン・ビジュクチェだけは、今日の演説でも「あらゆる停戦は、戦いの準備でもある」と、マオイストに対する懐疑の念を繰り返していた。7政党以外の政党の代表として、国民民主党のパシュパティ・シャムシェル・ラナ党首が「マオイストのFMラジオをコントロールできない政府が、報道規制をすることに何の意味がある」と、政府批判をしていた。国民民主党は王室派の元パンチャヤト派からなる政党だが、2月1日以降、国王を支持する党員と支持を表明していない党員に分かれており、ラナ党首は支持を表明していないグループに属する。

 自宅に戻ると雨が降り出した。今日は午後3時から、バサンタプルから7政党がデモを繰り出すことになっている。今日のデモはラトナ公園まで行って、「デモ集会禁止域」のラインを突破すると宣言している。各党党首クラスのリーダーがデモを率いるとも聞いた。雨はタイミング良く、ちょうど午後3時をすぎるころに降り止んだ。バサンタプルに集まったデモはニューロードの方に向けて歩き出した。今日のデモは始まりから、あまり統制がとれていないようだ。スローガンも統一しておらず、ばらばらに声を上げている。ほとんどが王制と国王を批判するスローガンだ。前列にはネパール会議派のラム・チャンドラ・パウデル元国会議長や、同党スポークスマンのアルジュン・ナルシン・K.C.、そして、ネパール共産党統一マルキスト・レーニニストのジャナラス・カナルなど、トップクラスのリーダーがいる。ニューロードの入り口にあたるジュッダ・シャムシェル・ラナの銅像の後ろに来ると、大勢の警官隊が並んで警棒を横につなぎ、デモ隊を阻止した。このとき、すでに各党党首もデモに加わっており、警官隊を押すようにして前進しようと試みる。すぐに、右手の警官隊のラインが崩れて、デモ隊の一部がニューロードのほうに駆け出した。すぐに後を追いかけると、ラム・チャンドラ・パウデルとネパール会議派のスシル・コイララ幹事長を囲むようにして、7,8人の若者がスローガンをあげながら早足で進む。「禁止域ライン」を突破した興奮で、皆、国王を批判する過激なスローガンをあげている。ネパール会議派の支持者である88歳のチャヤ・デビ・パラジュリさんの小さな姿も見える。ネパール会議派の旗を身体に巻きつけて、1人の党員が手をもってかばいながら歩いている。「禁止ライン」を突破したのは、この2,30人のグループだけで、彼らはニューロードを独占状態でデモし、東の端のニューロード・ゲートまで行ったところで、警官隊に逮捕された。この直後、東から西に向けて、最初の催涙ガスが放たれた。続けて、7,8発の催涙弾が放たれる。何度吸っても、慣れないものだ。すぐに両目から涙が流れ落ちる。このころ、ジュッダ・シャムシェルの銅像の後ろでは、コイララ党首らが逮捕されたらしく、警察のバンに乗せられて連行されていく。コイララ党首は群集にもまれて意識を失い、ティーチング病院に運ばれたと聞いた。西に戻ると、また一部が警官隊を突破してニューロードのほうに駆け出した。しかし、何人かはすぐに警官に逮捕されてバンに入れられる。このころには、ニューロードのあちこちで催涙ガスが放たれ、白い煙があちこちで上がっているのが見えた。デモ隊と警官隊とのやり取りは午後5時すぎまで続いた。逮捕された100人以上の人たちは2,3時間後に釈放された。今日のプログラムは、2月1日の政変以後、先日のラトナ公園での市民グループによる「禁止域突破」デモに次いで大きなものだった。次は、9日(金曜日)、ギャネンドラ国王が国連総会出席のためにニューヨークに向けて発つ日に、クリシュナ・パハリ率いる市民グループがナヤバネスワルの路上で、国王に対して黒旗を見せるプログラムがある。民主化運動はこのまま、どこまで進むのだろう。

  
   
「集会・デモ禁止域」に指定されているニューロードをデモするラム・チャンドラ・パウデル元国会議長(赤い旗を巻いた男性の左)と、スシル・コイララNC幹事長。   警官隊に警棒で殴られて負傷した活動家   ニューロードをデモ隊を追いかける警官隊

   
警官隊におわれるデモ隊   バサンタプルで警官隊の放った催涙ガスの煙が漂う  



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