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速報
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イラク発 玉本英子の連続取材日誌 第5回 「誘拐」という日常(05/05/06)
 現在イラク北部とクルド自治区を取材中の玉本が、イラク国内の日常の息吹を日誌と写真で伝える集中連載

 イラクの治安悪化は深刻で、武装勢力と米軍との戦闘に加え、警察署などを狙った攻撃もあとをたたない。昨年からは、犯罪グループによる誘拐事件が急増するようになった。

父親に手を引かれて学校に行く児童。そんな絵をかいたのは、キルクーク・アルマス中学1年生のダスタン・サバハ君(13才)だ。
「爆弾と誘拐におびえる毎日。いまのぼくたちのイラクです」
絵を見つめながら、ダスタン君は話す。

キルクークでは、通学路に自動小銃をもった警官が立つ姿が日常の光景になった。通学中に誘拐される例があいついだからだ。

外国人誘拐事件は大きく報道されるが、イラク人を狙った誘拐事件は数知れない。
昨年以降、イラク各地で、5千件もの誘拐事件が発生しているという警察の統計もある。
しかし、報復を恐れて被害届けを出していないケースも含めると実数はその数倍にのぼる。

「テロ対策」に忙しい警察は、誘拐事件捜査にまで手が回らないばかりか、警官が誘拐グループの一味ということもある。数千ドルの身代金を支払って解放されればまだいいが、交渉中に殺害されてしまうケースも少なくない。

フセイン政権崩壊後、治安がこれほど悪くなるとは誰も思ってみなかったはずだ。
「イラク戦争前には見られなかった衛星放送が自由に見られるようになってうれしい。でも、毎日、爆弾で人が死んだり、子どもが誘拐されるようになった」ダスタン君は、つぶやくようにそう言った。

治安悪化が、「自由」と引きかえにもたらされたのなら、あまりに悲しい。

キルクークの子どもたちの日常を描きつづけるダスタン君   友人たちと集団で通学する小学生(キルクーク市内)


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