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速報
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武装勢力とメディア 玉本英子・坂本卓(05/05/27)

  イラク軍が押収した、アンサール・スンナ軍発行のパンフレット。(A5サイズ・5月11日撮影)アンサール・スンナ軍 メディア部門発行 月報「世界のイスラムニュース」とあり、サウジ、アフガン、チェチェンなどでのイスラムの抵抗運動が紹介されている。
 斎藤さんを含む警備員の車両を襲撃した映像をネットで公開する。襲撃シーンだけではない。斬首映像や自爆の瞬間をネットで見せるといった、これまで誰も想像すらしなかったことが、イラクで起きている。

 昨年、ファルージャ近郊で日本人が拉致された事件では、ビデオ撮影した映像がビデオCD(VCD)として、アル・ジャジーラやAP通信などに持ち込まれた。イラクでビデオCD制作なんてできるわけはない、こんな疑問から日本では、人質の「自作自演説」まで飛び出した。

 イラクでは、ビデオ映像を加工・編集してビデオCDにするというのは、とくに珍しいことではない。フセイン政権下では、衛星放送視聴は禁止だったが、外国の人気映画のビデオCDは1枚100円前後で売られており、ビデオCD再生機もひろく普及していた。結婚式では、専門のビデオ業者を呼び、映像にタイトルや効果を加え、ビデオCDにして思い出に残すのが一般的だ。

 今回、刑務所に収容されたアンサール・スンナ軍のメンバーの話をきいてわかったことだが、スンナ軍の組織形態は、フランチャイズのチェーン店のようになっていて少人数の部隊ごとに編成されている。各地での攻撃を報告する連絡役がおり、ネット担当者は、午前おこなった攻撃の声明を、午後にはネットで発信できる。

アンサール・スンナ軍は、ほぼ連日、インターネットで声明や動画を公開しているが、イラク人のほとんどは、スンナ軍のアドレスすら知らないし、斬首動画などわざわざ見ようなどとは思っていない。

 武装勢力は、イラク人に対しては、インターネットよりもビデオCDで浸透をはかろうとしている。このかん、武装勢力のビデオCDを私たちもいくつか入手し、映像を分析してきた。すると昨年からある変化がおきていることに気づいた。

 これまでは、自爆攻撃や米軍襲撃のようすを誇らしげに並べたものが多かったが、昨年中頃から、「爆弾製造法」など実践的な知識を流布させる内容が増えはじめたのだ。これは高度な待ち伏せ襲撃や自爆攻撃だけでなく、仕掛け爆弾などによる攻撃が急増し、民間人の犠牲があいつぐようになるなど、攻撃のすそ野がひろがってきたこととも連動している。

 武装勢力の映像についてイラク人たちの意見はさまざまだ。
「あれはアメリカがわざとやらせている。イスラムのイメージを悪くするためだ」
「斬首なんて絶対に支持はできないが、そもそも占領が原因」
 アメリカの占領を終わらせたいと願うイラク人は多い。しかし、それは自爆や斬首という手段を通じてではない。武装勢力の過激な映像だけをもって、いまのイラクを読み解くことはできない。イラク人の友人は言った。「戦闘や自爆事件で毎日、人が死んでいる。確かに異常だ。でもそれ以上の数の結婚式が毎日あることも忘れないでほしい」。

爆弾製造法を紹介する武装勢力のビデオCD。   アンサール・スンナ軍は組織を再編しつつある、と報じるキルクーク地元紙アル・ナバ(5月7日付)


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